作品集(ポートフォリオ)について1

デザイナーの転職に必要な書類は、1)職務経歴書 2)履歴書 3)作品集 の3点セットです。今回は作品集について記載します。
 
作品集は、デザイナーの顔となるものです。
多くの皆さまの作品集を見させていただきますが、ほとんどの方は「もったいない」状態になってしまっているので、よくさせていただくアドバイスを記載します。

 
よくある作品集は、これまでにデザインした商品写真もしくは最終レンダリングの画像が1枚から数枚あり、その製品名、製品の説明が書かれているもの。
 
弊社のコンサルティングでは、作品集を持参していただき、それぞれの製品について順にお聞きします。
そうすると、ほとんどの製品には明確なデザイン意図があり、また技術上の制約があったのをデザインを崩さずにクリアしていたりと、デザインスキルの高さを感じさせるエピソードが必ずあります。
 
こういった内容は求人担当者に伝えるべき内容ですが、ほとんどの方の作品集にはこれが表現されていません。
 
(当社を通す場合は、必ず担当者に会って口頭で一つ一つの製品について説明しますのである程度伝わります。それでも、その場にいなかった別のメンバーや上司の方に伝えやすいよう、そうした説明を加えることをお勧めします。)
 
転職する以上、今までと別の製品をデザインすることになります。求人担当者は「これらの製品をデザインしたのはわかったが、この人は当社でどのようなデザインができるだろうか」と疑問を持っています。
 
それに対して例えば、「1つ目のこの商品は、新興国のコンシューマ向け商品。他社が派手なデザインだったため、あえてシンプルにして日本製らしさと高級感を表現した」「この製品は取っ手部分がどうしても出っぱってしまうが、その突起部をキーにして特徴的なキャラクターラインを作り、デザインのアクセントとした」
 
などの説明があれば、自社の製品でもターゲットに合わせたデザインや、マイナスポイントをデザイン的にうまく処理できるのではないか、と期待してもらえます。もちろん、これらの説明をシンプルに読みやすく美しくレイアウトすることも重要です。
 
 
但し、一方で求職活動はタイミングが大変重要です。3ヶ月前ならぴったりの求人案件があったのに、今は少しずれた求人しかない、ということがよくあります。
 
特に働きながらの転職活動の場合、上記のような点をしっかりとカバーしようとすれば、数ヶ月があっという間に過ぎてしまいます。
 
当社にいらした方にはアドバイスをしつつ、合う案件があれば「まずはその状態でけっこうですのでこの案件を受けてみませんか」とお勧めします。この場合は、我々が持参した際に、担当者に対して非常に細かく補足説明をします。
 
この場合修正は、別の求人案件を受けることを想定し、並行して修正していただくことになります。
 
(下村航)

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