プロダクトデザイナーの存在意義/かわさきデザインフォーラムのご案内

最近、面白い経験をしました。雑誌の編集業務をやっていた方がプロダクトデザイナーになりたいということでご相談にいらっしゃいました。未経験では難しいという話をしようとして「例えばあなたの職場で人手が足りなくて求人をしたら、『全くの未経験だけどやってみたいんです』という人が来ても困るでしょう?」と言ったところ、不思議そうに「いいえ。そういう風にやる気がある方なら大歓迎ですよ」と言われました。

これはプロダクトデザイナーという職業のなりにくさを端的に示した例かもしれません。特に中途採用の場合、いくらやる気があってもプロダクトデザイン未経験ではよほどの偶然が重ならない限り採用されることはありません。(未経験の方がご相談にいらした場合、夜間部など、比較的在学期間が短いデザイン学校に入り直すことをお勧めしています。在学中にいろいろと縁ができるし、未経験者でも卒業時点であれば、まだチャンスがあるからです)
デザイナーの中でも特殊なようで、以前にはインテリアデザイナーの方がプロダクトデザイナーに転向したいということでご相談に来た際に、「自力でもいろいろ探してみたんですが、プロダクトデザイナーの求人は必ず経験を求めますね。インテリアデザイナーの求人は未経験でもOKな案件がけっこうあるのに」と話していました。
そのように「貴重な」存在のプロダクトデザイナーですが、また違った面から貴重さを表す例があります。
最近、「デザインシンキング」という言葉がビジネス書にも使われています。端的に言えば、主に製品開発に携わるデザイナーが、デザインを生み出す際に使う手法・考え方を、デザイナー以外の人も有効だから使ってみよう、ということです。
背景として、昨今の変化の激しい世の中で、新規事業・新規ビジネスを立ち上げるにあたって、これまでと全く違う「ゼロから1を生み出す」ことが求められています。デザインとはゼロから1を生み出す作業ですので、この手法に学べば効率よくアイディア展開、製品開発をすることができる、ということのようです。
製品開発に携わるデザイナー、つまりプロダクトデザイナーは、そのようにデザイン以外の場面でも幅広く活躍が求められています。日立ではデザイナーと研究者を結び付けて新しい組織を作っており、NECでも社会の将来像を構想できるような「ビジネスデザイナー」という職種を設立しています。
日経コンピュータ「日立がR&D組織を再編、顧客起点のイノベーションを目指す」
NECのニュースリリース「社会ソリューション事業の強化に向け、お客様とビジネスを共創する「デザインセンター」を設立」
ここまで重宝されるというのは、プロダクトデザイナーが製品開発の最上流と深く関わってきたからだと思います。ぜひ今後ますます活躍の場を広げ、社会の変革の起爆剤になってほしいものです。
もう一つ、弊社が受託している「かわさきデザインセミナー」のご紹介です。2月に引き続き須藤シンジ氏にご講演いただきます。
製品開発から始まり、「コトづくり」「街づくり」にまで活動の幅を広げて、社会にまで影響を与えています。とてもパワフルで、聞いていてこちらまで元気になるような講演ですので、ご都合よろしければぜひご来場ください。交流会まで参加して直接お話しすることをお勧めします!
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■第107回 かわさきデザインフォーラム 開催概要
テーマ:社会を創るデザイン 2015
    ー今ある技術が未来を彩るー
   
日 時:2015年12月10日(木)
講演会:15:30ー17:00 / 交流会:17:15ー19:00
参加費:無料(交流会参加者のみ1,000円)
場 所:新川崎・創造のもり
    慶應義塾大学 新川崎(K2)タウンキャンパス(新川崎駅 徒歩10分)
        定員100名(申し込み先着順)
講 師:NPO法人ピープルデザイン研究所 代表理事
    http://www.peopledesign.or.jp 
    有限会社フジヤマストア/ネクスタイド・エヴォリューション代表)
    http://www.nextide.net/
    須藤 シンジ氏

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※クリックで拡大します。
概要:
2014年11月12日から18日まで渋谷ヒカリエ8Fで開催されたされた『2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展』は、同場所での過去最大の動員数を記録しました。あらゆるジャンルの展示会の動員数記録を、『福祉』をテーマにした展示会が塗り替える。そんな時代が、すでに始まっています。
その通称『超福祉展』を主催したのが、NPO法人ピープルデザイン研究所です。今回は2月のフォーラムに引き続きまして代表の須藤シンジ氏にご講演いただきます。(2月のフォーラムにご参加された方もされなかった方も興味深くお聞きいただける内容となっております。)
須藤氏は障害者「にも」使いやすい製品をメーカーに提案、世界的なデザイナーと結び付けて「カッコイイ」製品に仕立て上げる方法で、健常者の若者が飛びつく大ヒット製品を数多く送り出してきました。
そして今、須藤氏の活動は数多くの「コトづくり」や「マチづくり」にまで広がっています。また、障害者だけでなく、高齢者、LGBT、外国人といった、社会的マイノリティがもっと社会に混ざり合える活動にも広がっています。『超福祉展』も今年11月10日-16日に第2回の開催が予定されており、その他にも多くの活動をプロデュースしています。
『福祉』という言葉に興味のない方もぜひご講演をお聞きください。きっとそこに大きなビジネスの可能性を感じられると思います。
 ●申込方法 下記について明記の上、E‐mail又はFAXでお申し込みください
  1. 氏名(ふりがな)
  2. 会社名/学校名
  3. TEL / FAX
  4. E-Mailアドレス
  5. 交流会(出席/欠席)
 <申込先>
  川崎市経済労働局 次世代産業推進室
  FAX:044-200-3920 E-mail:28sangyo1@city.kawasaki.jp
(下村航)

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