当社の求人はプロダクトデザイナーが最も多いのでこのようなタイトルですが、他デザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容を加筆したものです。一気に読みたい方はこちら。
今回は「面接」についての第2回です。
面接の際、一次面接は半分ぐらいの企業が同席を許していただけます。一次面接の面接官は「デザイン部のトップ」と「人事の担当レベルの方」がほとんどです。逆に二次面接になってしまうと、たいてい役員クラスが出てくるので同席できることはほとんどありません。なお、デザイン事務所の場合は最初から社長が出てくることが多いです。
(同席できても余程のことが無い限り、私は発言しません。その方が「本人がしっかりと考えて受け答えできている」という印象を与えられるからです)
数多くの面接に立ち会った経験から、よくある質問を以下に記します。
簡単に職務経歴と自己紹介をしてください。
特に時間の指定がなければ、簡潔に短く。、ということだと考えられます。職務を順に説明し、そこで何を得てどんな能力がついたのか、を説明できると良いです。基本的に口頭だけで簡単に説明するイメージですが、もしこのままポートフォリオを説明したければ、一言、「ポートフォリオを使って説明してもいいでしょうか」と聞くといいでしょう。ポートフォリオを使うとどうしても長くなりますので。
より難易度の高い聞き方として、「今までの業務の中で成果はどんなものか、定量/定性両側面で答えてください」という質問もありました。ITのスタートアップ企業で、1人目のデザイナー募集でした。デザインに絞らず、会社に与えたプラスの結果を具体的に答える必要があるかと思います。
ポートフォリオを説明してください
例えば、先日の某社の面接では「10分で」という条件でした。10分は長いように感じますが、順に説明していると意外とすぐに経ってしまいます。特に説明したい作品から説明するようにし、時間があまったら代表的な作品を順に説明すると良いでしょう。
※ポートフォリオは印刷したものやPC、iPad等で、現場で見せられるようにしておくことをお勧めします。(オンラインの場合はすぐに見せられるように準備しておく)それを前日に見ながら予習しておくとよいです。長くなりすぎないようポイントを絞りましょう。
当社を志望する動機はなんですか?
基本中の基本です。『御社のホームページを拝見してこういう点にとてもひかれました』というような内容を用意しましょう。そのためにも、受ける会社について良く調べておくことが必須であり、面接してくれることへの礼儀でもあります。履歴書等に記載して提出済みであれば、あらためて確認しておきましょう。
競争率の高い人気企業の場合、ここを重視する可能性があるので要注意です。
これまでの会社の退職理由。在職中であれば、退職したい理由。
これは人事部の面接ではよく聞かれます。会社都合であればしかたないですが、短い期間で辞めた場合はそれなりの理由を用意する必要があります。
すでに退職済の場合、人によっては転職先が決まっていないのに退職したこと=一時的に無職になることをネガティブにとらえる方がいるので、そこに対して質問があるかもしれません。
何か明確な理由があれば良いですし、特にない場合は例えば、「働きながらだとどうしても業務が忙しくてポートフォリオ作成が進まず、どんどん先延ばしになってしまっていたので、思い切って退職をしてから探そうと考えました」などと理由を付けておくと良いかと思います。
当社に入ったとして、あなたの能力で最も活かせる点は?
自分の強みを聞かれています。ポートフォリオや職務経歴書の実務経験と連動して回答する必要があります。
これまでのデザインで心掛けていることは何ですか?
このような質問にはスムーズに答えられるよう、頭の中でイメージしておくと良いででしょう。 また別な質問で、「デザインの根拠を立てるときはどのように行っていますか?」というものもありました。
あなたの長所と短所は何ですか?
これもたまに聞かれる質問ですが、あらかじめ考えておかないと短所が難しいです。短所の言い方によっては、相手が不安になってしまう場合があります。必ず、「その短所を防ぐためにこういうことを心がけている」ということを付け加えましょう。
一緒に働く上で苦手とする人はどのような人ですか?
こちらも同様に苦手ですがこのように接することで・・・という内容は追加しましょう。浮かばなければ、そういう人は会社にいたら足を引っ張るな、と思わせるような人が良いです。
社内もしくは社外での折衝で、うまく進めるためのポイントなどはありますか?
コミュニケーション能力はどの会社でも求められるところですが、ここで具体的な経験を元に話ができると評価が高いです。
これまでで最も辛かった業務は?
過去に「このような質問を受け、回答に窮してしまった」との報告があったので掲載しておきます。めったにない質問ですが、いざ急に言われておかしな回答がないようにしたいものです。
将来どうなりたい、などのイメージはありますか?
これは基本的にはキャリアの目標などを答えることとなります。この仕事を通じて○○になりたい、自動車の○○を手助けできるような商品を・・・、会社全体の売上に貢献したい、というような回答になるかと思います。※あくまでこの会社内での内容にしましょう。すぐに転職すると思われないように。
趣味は何かありますか?
意外にこのような基本的な質問もあります。
内定を出してから、どれぐらいで入社できますか?
先方としてはもちろん早ければ早い方がいいですが、とはいえ、現職と円満退社してほしい、という希望もあります。平均的には、在職中の人は1.5カ月から2カ月程度です。もちろん、「内定をいただいてから上司と相談して、の結果になるので、仮の想定ですが」という前提で話して構いません。
希望年収はいくらですか?
面接の場では聞かれることはあまりないですが、面接後に人事の方と1対1になって聞かれることがあります。
別の聞き方で、最低でもこれぐらいはほしい、という年収希望額はありますか?ということもあります。
明確に「これを下回ったら受けない」というラインを決めてあればそれを伝えます。特に希望は無いのであれば、「業務内容で選びたいので御社の基準に合わせます」という言い方が良いでしょう。大企業だと、年齢と職務レベルである程度決まっている場合もあります
いま、他にどこか受けていますか?
これは、基本的には素直に答えた方がいいです。嘘をついてしまうとあとでばれた時に心象が悪くなりますので。転職を決めた以上は、複数を受けておくことは珍しいことではないので問題ありません。
続き)もしそこが受かったら、そちらに行きますか?
質問は、もし全部受かったらどこに行きますか?」や、「もし弊社に受かったら弊社に入社してくれますか」などもあります。
もし別の会社の方が第一志望であっても、「迷っているので、面接での雰囲気やそこでお聞きする仕事内容、待遇面などで総合的に判断したいと思います」などと答えておいて、希望を残しておきます。そうしないと、「彼は志望度が低いので失格」となってしまう可能性があります。
(実際、面接で印象が逆転することはよくありますので、嘘ではないと思います)
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質問内容として想定されるのは上記のようなものです。
あとは、やはり先方の会社についてできるだけ知っておくこと、例えばホームページを見たり。もしお店等で売っているものであれば、ぜひ現物を売り場で見て、どのように販売していた、どのような客層がそれを見ていた、等を話題にするとポイントが高いと思います。
面接時によく相手の話を聞く姿勢も大切です。たまにあるのが、用意してきた答えをしたいがために、質問の内容とちぐはぐな回答をしてしまうことです。
これは「コミュニケーションスキルが低い」という悪い印象になってしまうので、相手の質問や、言っていることを良く聞いて、それを踏まえた回答をすることも大切です。
逆に、聞いておきたいことも準備しておくとよいと思います。
「質問はありませんか?」と聞かれて何もないと、その会社に興味がないと思われる可能性があります。(給料の質問は微妙なのでよほどのことが無い限り避けた方がいいです。)
例えば、
・デザインする上で苦労する点はどこですか。
・どれぐらいの期間で業務が進むのですか。
など。
これについては、聞きたいことをリストアップして印刷したり、メモ帳に書き出しておいて、質問されたら取り出し、「ご質問したいことを漏れがないよう、メモしてきました」と言って見ながら質問しても問題ありません。
持参物として、提出済みでも念のため、履歴書と職務経歴書のコピーを持参することをお勧めします。(オンラインの場合はすぐに見せられるようにする)
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なお、弊社では面接に同席が許されなくても、できる限り同行するようにしています。つまり候補の方と一緒に求人企業の入口まで行くものの、そこで帰ることになります。一見ムダに見えますが、その道中で話すことで候補の方がリラックスできたり、自分の考えを整理できたり、またこちらからアドバイスができたりするので、大変有効だと考えているからです。(自画自賛ながら丁寧ないい会社ですよね(笑))
<次回はある程度の年齢を超えると必ず聞かれる「マネジメント経験」についてです>