団塊世代の大量退職などで、企業側には人手不足感が漂う。
そんな中、「第二新卒」といわれる入社後3年前後の転職希望者に
熱い視線が注がれ、転職市場は活況だといわれている。
しかし、実際はどうか。デザイナーの場合を見てみたい。
例えば、メーカーに入社したデザイナーが2?3年で退職すると、
モノづくりのプロセスを全て経験することなく辞めていることになるから、
業界では、「経験ゼロ」として新卒と同じ評価をされてしまう。
大学生の頃の就職活動時に、自分がやりたい仕事がわからず、
いざ入社してみて、企業と自分の考え方の違いで辞めた例や、
エコノミックな経営者の考えについて行けないケースなど、
いろいろと不幸が重なったとしても、理由はどうあれ、2?3年では、
デザイナーの世界では、経験ゼロとみなされてしまうのだ。
学生時代にどこまでデザインを追及してきたか、
卒業制作にキラッと光るものを出せたか、など、
救われる可能性のあるポイントはあるが、
所詮、学校は社会と違うわけだから、評価は低くならざるを得ない。
不幸にして「第二新卒」になってしまったデザイナーは、
もう一度初心に帰って自分の将来を考え、
一年生からやり直す気構えで転職活動するくらいの覚悟があれば、
受け入れ先は見つかるかもしれない。
社会人経験が多少ありという程度では、デザイナーの場合は
売り物にならないことを肝に銘じておきたい。
せめて、まずは4?5年の経験を積んでから、
夢に向かって階段を駆け上がって欲しい。
3年程度の中途半端な経験で、
昇りかけた階段をみすみすゼロまで下りてしまうぐらいなら、
もう少し今の職場で辛抱し、「実務経験」を得ることだ。