『イギリスの1年のほとんど正確に半分を春、夏、秋が占め、
後の半分は冬ならば、歴史上、イギリス人というものは
まず冬に対処することから、そのイギリスでの生活を始めたに違いない。
それを旨くやらねば、凍え死にするほかないのであるから
民族の知恵がそこに結集されたわけで、
炉辺の幸福とか団欒の季節とかいうのはイギリスで始まったことである。
(中略)
それでクリスマスというものが、ヨーロッパ大陸の方では
主に宗教的な意味を持つのに対して、
イギリスでは、多分に社交的な行事になっていることの説明もつく。
クリスマスは冬の真最中で、それが寒さが厳しい暗い季節であるから
イギリス人は、それと救世主が生まれた喜びというものを結び合わせて
暗闇の中に火を燃え上がらせることを発見した。
そうした寒さに震えながら教会に夜のミサに行く代わりに
彼らはサンタ・クロースを持ち出した。
イギリス人が教会に行くのは朝で、それも行かないものが多い。』
(英文学者・吉田健一著『イギリスの冬』より抜粋)
身近なものを改めて調べてみると、新しい発見がある。
時には、クリスマスのルーツにも触れ、
忘年会などで友と語り合うのもいいですね。
(K.K.)
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