1951年、米国視察から帰国した松下幸之助は、
羽田空国に降り立つやいなや、
「これからはデザインや」と叫び、
千葉大学工業部意匠学科講師の真野善一を引き抜いて
デザイン部門の前身「宣伝部意匠課」を設立した。
松下電器のデザイン部門は、
わが国初のインハウス(社内)デザイン部門であり、
その歴史そのものである。
会社が、「松下」「ナショナル」「パナソニック」など、
多岐にわたって使いこなしてきたブランドを
この10月に「パナソニックに」統一するという。
ソニーやサムソンのように、
統一のブランドで国際社会に貢献したいということだろう。
歴史ある会社だけに「誰が鈴を付けるか」という
インナーでの葛藤はあっただろうが、
時代は、分りやすいブランドを求めており、
会社としてブランド力再構築という意味でのトップの英断とみた。
いかに、ブランド力が国際社会で必要かを意味している。
統一された「Panasonic」の書体を含め、
今後のブランド力構築に賭ける、
大手デザイン部門の戦略を見守りたい。
(K.K.)