中国のデザイン(6)

私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの6回目。
遅い夏休みを北京で過ごそう、と友人から誘われ、
10月の初め、再び中国へ旅立つことにした。
週末・金曜の夜に出発し、火曜の朝帰りというのだ。
折しも中国は、10月1日に建国(共産党政権)60年を迎え、
厳戒態勢の北京市中心部で、大規模な軍事パレードを実施、
1日から8日までが国民の祝日、というゴールデンウイークであった。
パレードでは、核弾頭搭載可能な中・長距離弾道ミサイルや
新型戦闘機が登場し、飛躍的な軍事力の向上を誇示した。
物騒なことだし、時代に逆行している。
中国軍備は「危険水位」だと内外から批判されたが、
テレビでは、朝から晩まで、10年ぶりの軍事パレードの賑わいを放映し続けていた。
それはまるで、毛沢東時代に、各家庭にポスター20数億枚を配り、
宣伝した時代の名残とも、私にはとれた。
時を同じくして、ノルウェーのノーベル賞委員会は9日、2009年のノーベル平和賞を
バラク・オバマ米大統領に授与すると発表。
「核兵器なき世界」の実現に向けた構想と努力を評価し、
「世界により良い将来への希望を与えた」事などが受賞理由とか。
オバマ大統領の「政治を変える」姿勢に倣い、
中国もそろそろ、軍事パレードという、その「習慣を変える」時代であると思う。
天安門広場での各地方の山車(各省の特徴を展示・PRするもの)を見るにつけ、
各地のデザイナーの知恵と、その感性は捨てたものでないと感じる。
大衆を魅了するのには、軍事力を誇示せずとも、
それに勝る、「デザイン」という素晴らしいものがあることを、改めてここで記したい。
(K.K.)
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