『野次喜多本』登場人物の新たな“ちょっといい話”(2)グラフィックデザイナーのイノベーション

日本ブックデザイン賞2017 一般の部 ブックデザイン・パブリッシング 部門
 
 有名・無名人100人を書いたところで、タイミングよく「日本ブックデザイン賞2017」の
応募締め切り日に間に合ったので応募したが、『うんこ漢字ドリル』等は入賞、
私の『野次喜多本』は入選という審査結果で終わった。『うんこ漢字ドリル』に負けたのである。

「日本ブックデザイン賞2017」は、知る人ぞ知る、グラッフィクデザイナー秋山孝が立ち上げたのだ。
彼の郷里・新潟県長岡市で2009年「秋山孝ポスター美術館」を設立、
その後、この美術館での毎年行事として「日本ブックデザイン賞」のお世話をし、
審査委員長も兼ねているのだからそのバイタリティーや凄い。

思うに、1990年代、グラッフィクデザインの世界にコンピュータが導入されると
あっという間にデザイナーの仕事が減ってしまった。
簡単なことはプロデザイナーでなくとも出来るようになり、プロデザイナーの仕事が激減した。

グラッフィクデザイナーは、クリエイティブな世界で勝負しないと生き残れないことを、
彼が多摩美大で教鞭をとりながら言い続け、実務の世界でも
クリエイティブ世界の啓蒙に取り組んでいるのだ。

生き残るには、グラフィックデザイナーのイノベーションしかないと
いろんな分野で活動しているのだ。

先回書いた、川崎和男がプロダクトデザインの世界にイノベーションを試みているように、
秋山孝もグラッフィクデザインの世界にイノベーション投入しているのだ。

続く後輩のために、これも先輩デザイナーの大事な仕事なのだと
身を切って動いて見えるのにはただただ頭が下がる。

(喜多謙一)

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