『野次喜多本』登場人物の新たな“ちょっといい話”(4)スペインからの年賀状

 

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

 フェリス アニョ ヌエボ 2018
  FELIZ AÑO NUEVO 2018
 食べて飲んで、2018年も楽しく!毎日元気で!
  マドリード ヤマダトミオ

元旦の最初のメールはスペインの画家、ヤマダトミオさんからのもので
2018年がスタートした。美味しそうな画面、“食べて飲んで”と
ダイレクトな新年のご挨拶は、やはり“スペイン人”からのもの・・・
彼らしいコメントで感心した。

昨年の10月末、銀座での個展会場でお会いして、
来年も銀座での個展開催が決まったと、
今からテーマを決めて制作にかかるのだと、彼が抱負を語っていた。

日本の正月行事の基本は、年神とか正月さまと呼ばれる神を迎えて祭り、
人々の健康、一族の繁栄、農作物の豊穣などを期待することにあると
教えられてきたから、年賀状などには“飲んで食べて”という言葉が浮かばない。
さらに、2018年も楽しく!毎日元気で!と続くと、
日常生活の基本フレーズに戻るからわかりやすい。
時には、こんな年賀、こんな挨拶文をも書いてみたいと思った。

ありふれた年賀状の文面ばかり見ていると、形式的な年賀状交換は
時間と共に廃れざるを得ない、ここでも日本の年賀状を危惧した。

2018年も楽しく、毎日元気で“制作”続ける異国での彼を思うと、
こちらも負けておれないとも思った。

(喜多謙一) 

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