加齢の悲しみ

社会人になってからの「恩師」の死は悲しい。
期せずして、昨年末の名古屋出張の折、ご挨拶にと、
その恩師の自宅を訪れたのが、最後のお別れになってしまった。
少し足が弱っておられたが、私が昨年、中国に6回も足を運んだ話には
とても興味を持たれたようで、いろいろと質問なさっていた。
駄弁ったその一時間が楽しかっただけに、先日の訃報は身にしみて、
しばし頭が真っ白になった。
職場で直接の上司ではなかったが、趣味で水彩画を描かれることもあり、
趣味でのお付き合いが、彼との出会いであり、
私の下手な絵手紙を、喜んで貰ってくれる大先輩だった。
彼は、戦後シベリア抑留から生きて帰った一人で、
その体験は、大企業の番頭さんとしてもゆるぎない生活力を伴って、
我々を導いてくれた。
シベリア抑留のことを思えば、会社のどんな出来事も乗り越えられる、
という恩師の言葉は、脱サラして始めた私の小さな会社をも
支え続けてくれたといっても過言でない。
悲しみを乗り越える術を彼から教わったのだから。
彼、恩師の死は、加齢の悲しみとして、ずっと私の心に残ることだろうが、
最後にひとこと、「有難う」「謝、謝」。合掌。
向川原徳助さん、2010年1月没、享年86歳。
(K.K.)
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