手描きスケッチ

以前から、デザインは楽しく学ぶことだと思っている。
学ぶことに、楽しさなんてあるのかと、受験生諸君からは
反論がありそうだが、やはりデザインは、楽しくなければ
学ぶ価値がないようにも思う。
先日、若いデザイナーに、イタリアのデザイナーの
ボールペンで描いた一枚の手描きのスケッチを見せ、
ここまで描けるかと投げかけたところ、しばし沈黙してしまった。
そして、彼曰く、今は簡単に手描きし、スキャンし、
フォットショップで色をつけて仕上げるから、
スケッチなどに時間を割けないという。
また、ボールペンでの手描きスケッチも、
見たことがないというのには驚いた。
ここまで能率主義が徹底しているのも、悪いことではない。
しかし、手描きはデザイナーの原点というべきものであり、
こうした手描きのアイデアスケッチの良し悪しで
採用が決まることがあるのだ。
そう伝えると、彼は、ここまで描けるように勉強したいと、
そのボールペンで手描きされた一枚のスケッチを持ち帰った。
手描きのアイデアスケッチの楽しさを知らないコンピュータ世代が、
日本にも、どんどん増えているのだと実感した日だった。
と同時に、チャレンジする若者もいることに安堵した日でもあった。
(K.K.)
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