転職のお世話をしていると、求職者には、デザイナーとしての
実務経験の豊かさが求められる場面が、少なからずある。
先日も、ある企業に面接に行ったプロダクトデザイナーが、
残念ながら採用に至らなかった。
デザイン部門からのアウトプットを、設計部門がどうやって
製品化につなげるかという、設計・製造工程の知識が乏しいから、
というのが、その理由だった。
彼には「第二新卒」な寄り道が多く、実務経験が少ないことは、
こちらも十分わかっていたが、望みとしては、
「職場教育」で育てて欲しい、育てる価値がある『人財』である
ことを見込んでの推薦だった。
しかし、「弊社では、30歳を超えたデザイナーを一から育てる
余裕も、時間も、ありません」との返事だった。
今は、昔のような丁稚奉公的なカタチで、デザイナーの面倒を
見てくれるデザイン事務所も無く、企業とて、職場教育で
デザイナーを育てる余裕も無いとしたら、
人材教育、デザイナー教育の将来は暗い。
社会も、企業も、今だからこそ「ものづくりの原点に戻って、
クリエーターをどう育てるか」に真剣に取り組まないと、
ものづくり・日本の将来はないように思う。
淋しい話で恐縮だが。
(K.K.)
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