プロダクトデザイナー転職ガイド2019 12)手描きスケッチの重要性

プロダクトデザイナーが転職する際のポイントを分けて連載しています。
※1年ほど前に掲載した内容を加筆したものです。一気に読みたい方はこちら。(ただし2019更新情報が反映されていません)https://www.bt2.net/oyaku
今回は「手描きスケッチ」についてです。

ビートップツーの扱う求人案件はプロダクトデザイナーが最も多く半数以上を占めます。プロダクトデザイナーの求人内容を企業様にヒアリングに行くと、やはり手描きスケッチの重要性を切に感じます。業界にもよりますが、それとほぼ同等に求められるのが、3D-CADおよびレンダリング能力。他にも製造の知識や構造、機構、交渉能力等々ありますが、まずは手描きと3D。

ある企業の方が、こんな話をしていました。

「『手描き』と『3D』は車の両輪みたいなもので、どちらも同じように大事。但し、今回の募集は20代の若手希望なので、まずは手描きスケッチを重視する。3D-CADは入ってからいくらでも教えられるけど、手描きは教えられないから。」

なお、ここでいう手描きスケッチとは、サムネイルやアイディアスケッチのことです。初期段階でサッと描いて思考を広げるラフなスケッチの能力が求められます。(学生時代に描くファイナルスケッチ、つまりスケッチに色を付けて本物のように見せるスケッチは、現在では3D-CAD+レンダリングソフトで作成しているので不要です)

さらに最近多くのメーカーでは、UXデザイン、サービスデザインの分野で初期段階にアイディア出しのディスカッションをする際、アイディアをサッと絵にしてくれるデザイナーが重宝されている、とお聞きしています。(富士通ではこうした手法を「グラフィックレコーディング(グラレコ)」と呼んでいるそうです)

そこで今回は、手描きスケッチの参考になる書籍をいくつかご紹介します。

デザインの発想から表現 プロダクトデザインスケッチ

清水 吉治 (著)  出版社:日本出版サービス

言わずと知れた日本のマーカースケッチの第一人者、清水吉治先生の本です。
数ある清水先生の本の中でも手書きスケッチのテーマではこの本をお勧めします。後半にキヤノン、セイコーエプソン、富士フイルム、日野自動車、富士重工、タニタのインハウスデザイナーが描いたラフスケッチが載っているからです。
本来は門外不出でしょうが、清水先生だからこそ提供を受けることができたのであろう貴重な資料を見ることができます。

Sketching: Drawing Techniques for Product Designers

Koos Eissen (著), Roselien Steur (著)  出版社: Bis Pub

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