「天災は忘れた頃にやってくる(災害は忘れたころにやってくる)」
という有名な警句がある。
一般には、寺田寅彦の言葉として知られているが、
結局、「災害」だから「忘れた頃にやってくる」のではなく、
「忘れた頃にやって来る」から「災害」になるのである。
大地震発生から10日たっても、被害の全容は不明なほど甚大だ。
「デザイナーは何が出来るか」と大上段から考えようしても、
実際には、目途さえ立てられない現実に、歯がゆい思いもするが、
1995年1月に発生した、阪神・淡路大震災の教訓は、生きているはずである。
因みにその時、先輩デザイナーが、仮設住宅建設に一ヶ月の間、
ボランティアで参加した話を聞いたことがあるし、
住宅メーカーのデザイナーは、耐震構造の研究に専念し、
壊れないハウスのデザインに取り組んできたことは事実である。
それでも、不幸にして、国内観測史上最大のマグニチュード9.0という
極めて強い地震と、それに続く巨大津波には、なすすべがなかった。
さらに追い打ちをかける様に、原発事故である。
仙台近郊でデザイン事務所を経営しているN氏と連絡が取れ、
彼の家族の無事も確認できたが、自宅と事務所は、
津波で流されてしまったとのこと。
そうした数々の現実を受け止めて、我々デザイナーは何が出来るのか、
今後、さらに考えて行きたいと思う。
(K.K.)
デザイナー転職紹介、人材紹介、求人募集のビートップツー