気 力(8)


(CG作品 出井保勝 画伯)
 

「師走」の声を聞くと、やっと鎌倉の大仏界隈も賑わい始めた。
修学旅行の観光バスから降りる子供たちの声も色めいてきた。
普段の日常がもどってきた感じがするが、「第6波」油断禁物という記事を見ると、又考えさせられる・・・。

コロナ禍、解禁されてはじめての鎌倉修学旅行だから、先生も親御さんも
緊張の連続だろうが、子供たちはそんな心配は微塵もなく、明るい顔ばかりだ。
大仏見学の子供たちの生き生きした姿を見ると、
コロナ禍をしばし忘れさせてくれるが、皆マスク着用、目しか見えないが元気溌溂している。

ふと、大谷MVP 満票選出 歴史的活躍に勲章 「二刀流受け入れに感謝」 という新聞記事を思いだした。
投打の「二刀流」で歴史的な活躍を見せた気力あふれる、大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手。
彼も修学旅行で、この鎌倉の大仏を見に来たことがあるのだろうか、
岩手県出身というから多分、修学旅行のメニューにありそうだ。

ふと、私達の中学時代・修学旅行も鎌倉の大仏見学が入っていたが、
“何を学んだか”は覚えていないが、源頼朝が東大寺の大仏殿の落慶供養に参列し、
東大寺の大仏を見て東国にも大仏作りたいと願っていたが果たせず…
その遺志を継いだ侍女たちの力で建立されたということだけは覚えている。

「鎌倉の大仏見学」が、歴史を学ぶ・修学旅行のメニューにあるなら、
東京では「屋根の上のバイオリン弾き」ミュージカルを見るメニューがあっていいと森繫久彌さんの弁。
彼が、1967-1986年主役を務めていた時、本当に、ある学校の先生が
「鎌倉の大仏見学」と「屋根の上のバイオリン弾き」二つのメニューをこなしたと大感激、
これぞ、これからの修学旅行の在り方だと、あの“森繫節”を思い出した。

出井画伯作品にみる、矢印の左上に「屋根の上のバイオリン弾き」を、右下が「鎌倉の大仏見学」、
後は何でもありの世の中だと解したら“森繫説”は、生きてくる。

気力あふれる世界は身近にあるが、ただ凡人は気が付かないだけ、
森繁さんはその所すべてを見抜いていたように思う、脱帽。
(喜多謙一)

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