久しぶりに、夏休みをエンジョイしたいと思い、ふと、ARTの世界を覗く
ことに目覚めた。期せずして素晴らしい「ART NEWS TOKYO」という
パンフレットが手に入ったので、よく吟味して見て驚いた。実にきめ細かく
7,8,9月と催事が2カ国語で表示、地図まで完備している。
正に、時間とお金があれば、いい夏休みになると思った。
東京都庭園美術館、東京都江戸東京博物館、江戸東京たてもの園など、
10箇所が載っている。ふと、オルセー美術館展が東京に来ているという
広告を思い出し、確か六本木の国立新美術館と思い、探したが見当たらない。
なんと、このパンフレットは東京都、都のものだから当然、国立のものは
載っていないのに気がついた。
6年後の東京オリンピックを迎える、地元東京で、まだ都と国立との縦割り
行政が続いていることに、唖然とした。
東京で、この夏の六本木の国立新美術館、オルセー美術館展や、
国内の二科展、日展の案内もないのである。唯でされARTの世界が苦境に
接しているのに、国民の見たいものを、行政の都合で載せないというのは、
文化国家でも、何でもない。
腹の虫がおさまらないが、夏休みは、お盆、帰省、田舎でお墓参りを計画して
いたので、ARTの世界を覗くことを秋にして、近くの東京都立雑司ヶ谷霊園へ
と足を向けた。夏目漱石、永井荷風、泉鏡花、小泉八雲などの文学者から大正
ロマンの抒情画家の竹久夢二や、サトウハチローなど、多彩な顔ぶれのお墓が
あるのには驚き、お参りした。さすが、東京、夏目漱石の墓などは形も凝って
いるし、研究者のお参りでお花が溢れ、デジカメの音が絶えない
“人気あるお墓”だった。お蔭さまで、ipadで夏目漱石や、泉鏡花の本を再び
読むようになった。
金沢に帰省して初日のランチが泉鏡花「滝の白糸」の舞台、浅ノ川がのぞめる
料理屋さんだったから、感無量・・・時には、暑い一日、汗を流しながら先人
のお墓参りも、いいものと思った。
(喜多謙一)
PS.忘れないうちに,記す。今秋のヨーロッパの三大名門美術館展は、
オルセー美術館展、10月20日まで国立新美術館。
チューリッヒ美術館展、9月25日?12月15日まで、同じ国立新美術館。
ウフィツィ美術館展、10月11日?12月14日まで、東京都美術館。
お間違いなく。