先回この欄で触れたビルは、有楽町駅前の交通会館である。
このビルは、北海道から、富山、和歌山と10県ぐらいの店が目白押しに
入っていて、「ふるさとの匂い」の懐かしさを求めてか?今日も往年の人で
賑わっている。
交通会館から外掘通りを渡ってすぐ1?2分の、銀座1丁目に
「いしかわ百万石物語・江戸本店」(アンテナショップ)が以前より
開館している。
案内状をもらっていたので、”野次馬の目”で覗いてみた。
確かに野菜からお味噌まで、懐かしい食材はあるにはあるが?
パンフレットには、
「年間2,200万人もの人々が観光に訪れる石川県。
伝統と文化に彩られた石川県は、四季折々の美味と豊かな風土、
様々な工芸品や生活雑貨など、人々を魅了してやまない魅力にあふれています。
銀座に誕生した「いしかわ百万石物語・江戸本店」は、そんな石川県の美味や
美品をずらりと取り揃え、東京近郊の方々に石川県を存分に味わっていただく
ためにオープンしたアンテナショップ。」 とか。
美辞麗句が並んでいるが客が少ないのである。
交通会館から道一つ挟んだだけに、そう、銀座という住所は、
今晩のふるさとの”おかずを買う客”には馴染めないのだ。
その足で銀座通りに出ると、4、5丁目は、中国人の観光客で溢れている。
土日など、日本人客を見つけるのが難しいくらいだから驚く。
銀座といえば、昔はどの地方のメインストリートにも銀座通りという
名前があふれていたが、いつの間にか、それも消えた。
銀座はどこに行くのだろうと、率直に寂しい気分になった。
アンテナショップは、10月で一周年を迎えるとあった。
オープンしてから一年もショップに顔を出せないぐらいだから、
どうやら私には銀座を語る資格が無さそうだ。
(喜多謙一)