この連載では主にプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他デザイナーにも参考になると思います。今回は、転職時にポートフォリオと同様に重要な「職務経歴書」についてです。2回に分けてお伝えします。
※過去に前に掲載した内容を、その間の経験からアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。
職務経歴書については、YouTubeでもご説明しています。
– 職務経歴書<概要編>(職務経歴書の意味、使われ方)
https://www.bt2.net/column_pd/8231.html
– 職務経歴書<詳細編1>(「職務概要」「経歴」の書き方、部署異動した場合)
https://www.bt2.net/column_pd/8253.html
– 職務経歴書<詳細編2>(活かせる経験・自己PR、管理職経験など)
https://www.bt2.net/column_pd/8280.htmlまた、転職Hacks様のテンプレートを使って私が作成した新サンプルPDFは、以下をクリックしてダウンロードできます。手前みそながらよくできているので(笑)、面談の際にほぼ毎回使用します。
概要・使われ方
初めて転職される方にとっては聞き慣れない言葉かと思いますが、「職務経歴書」は自らのこれまでの業務の履歴、そこから得たスキルを文字で簡潔に説明するものです。
ある人の能力は、それまでにどんな仕事をどのようにしてきたか、によって表現できます。デザイナー以外の転職活動ではポートフォリオが無いので、この職務経歴書と履歴書だけで書類選考をしています。履歴書ではアピールできることも少ないので、職務経歴書が書類選考を通過させるかどうかの重要な判断材料となります。
もちろん、デザイナーはポートフォリオが最も重要です。ポートフォリオを見ただけで、仕事内容、スキル、センスがわかります。しかし画像や図で説明しきれないことは、職務経歴書でアピールすることが有効です。
また、2次面接(最終面接)などでデザイン部門以外の方が面接をする場合、ポートフォリオではなく職務経歴書を重視されることがよくあります。大きな企業などでは、デザイン部以外の役員も合否の鍵を握っていることがあるので要注意です。
例えば、先日同席させていただいた面接でのこと。デザイン部のマネージャーと人事部のマネージャーが同席されました。面接を受ける求職者がポートフォリオを説明するのにノートPCの画面を面接官に見せようとしたところ、人事部のマネージャーは「僕はそれを見てもわからないからいいよ」と答え、説明は聞いていたもののほとんど見ていませんでした。その代わりに履歴書と職務経歴書を熱心に読み込んでいて、そこに記載されている内容についていろいろと質問していました。
ついついポートフォリオに力をかけすぎて、職務経歴書が適当になっている人をたまに見かけます。しかし、人事部門の方はポートフォリオではなく職務経歴書と履歴書しか見ません。油断しているとここで落とされることがあります。また、職務経歴書は、文字ばかりでも読んでくれますので、ビジュアル化しにくい内容についてはこちらで表現しましょう。
概要・書き方
書き方に決まったフォーマットはありませんが、紙のサイズはA4縦書きで、2-3枚程度です。枚数が多くなってしまう方は、行間、文字サイズを見直しましょう。枚数が多い方へのアドバイスはたいてい「行間が広すぎてムダに枚数が多くなっている」ことと、「文字サイズはもう少し小さくてもOK(10Ptあれば読みやすいが、9pt程度でもOK)」ということです。
逆に、1ページに無理やり収めようとしている人や、書く内容が少なすぎて1ページで終わる人もいますが、これはもったいないです。よほど経歴が浅い人でないかぎりは、仕事をしてきて感じることややってきたことの種類もあるかと思いますので、簡潔ながらもしっかりと記載することをお勧めします。
また、シンプルで読みやすいレイアウトデザインが好まれます。職務経歴書はデザイン部門だけでなく、人事部門の面接担当者や、役員の方が面接に来た際も目を通します。装飾的なデザインにせず、読みやすさを第一にしましょう。(この記事の冒頭のサンプルや、次回の記事をご参照ください)
次回は具体的な内容について解説していきます。
<「職務経歴書II」につづきます>
下村航
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