プロダクトデザイナー転職ガイド2019 10)面接 II

プロダクトデザイナーが転職する際のポイントを分けて掲載しています。
※1年ほど前に掲載した内容を加筆したものです。一気に読みたい方はこちら。https://www.bt2.net/oyaku
今回は「面接」についての第2回です。今回も全ジャンルのデザイナー共通です!

面接の際、一次面接は半分ぐらいの企業が同席を許していただけます。一次面接の面接官は「デザイン部のトップ」と「人事の担当レベルの方」がほとんどです。逆に二次面接になってしまうと、たいてい役員クラスが出てくるので同席できることはほとんどありません。
なお、デザイン事務所の場合は最初から社長が出てくることが多いです。

(同席できても余程のことが無い限り、私は発言しません。その方が「本人がしっかりと考えて受け答えできている」という印象を与えられるからです)

数多くの面接に立ち会った経験から、よくある質問を以下に記します。

簡単に職務経歴と自己紹介をしてください。

特に時間の指定がなければ、簡潔に短く。職務を順に説明し、そこで何を得てどんな能力がついたのか、を説明できると良いです。

学校を卒業してから現在まで、職歴、職種を手掛けた内容得た能力とともに簡単に説明してください。

手元に職務経歴書を置いて、順に説明するイメージです。現在から逆向きに書いてあっても問題ありません。

作品集を説明してください

例えば、先日の某社の面接では「15分で」という条件でした。15分は長いように感じますが、順に説明していると意外とすぐに経ってしまいます。
特に説明したい作品から説明するようにし、時間があまったら代表的な作品を順に説明すると良いでしょう。
また、それらのページは小さな付箋を付けたりページを覚えておくと良いでしょう。見苦しくならないよう注意。

※作品集はデータ提出なら、念のためカラーで印刷して持参するか、PCに入れて見せられるように持参しましょう。
  作品集を印刷したもので提出済みでも、白黒でもいいのでコピーを手元に置いておくことをお勧めします。それを前日に見ながら予習しておくとよいです。長くなりすぎないように、ポイントを絞りましょう。

当社を志望する動機はなんですか?

基本中の基本です。『御社のホームページを拝見してこういう点にとてもひかれました』という内容を必ず足す必要があります。そのためにも、受ける会社について良く調べておくことが必須であり、面接してくれることへの礼儀でもあります。

競争率の高い人気企業で、面接対応が総務部門の場合、ここを重視する可能性があるので要注意です。

これまでの会社の退職理由。在職中であれば、退職したい理由。

これは人事部の面接では必ず聞かれます。会社都合であればしかたないですが、短い期間で辞めた場合はそれなりの理由を用意する必要があります。「うちに入ってもすぐに辞めてしまうのでは?」と思われないように注意しましょう。どこまで本音で話せばいいのかは人それぞれの事情があるので難しいのですが、前職場の悪口にならないように、しかしできる限り真実を話した方が結果として良いことが多いです。

例えば残業が多くて辞めた、という理由だったとして、受けた会社も実は残業が多い会社だとしたら、そこには受からない方がお互いに幸せだということになります。

なお、退職してからの空白期間がある場合、何をやっていたかは聞かれなくても必ず説明すべきです。『バイトをしながら就職活動』などでも構いません。

当社に入ったとして、あなたの能力で最も活かせる点は?これまでのデザインで心掛けていることは何ですか。

このような質問にはスムーズにに答えられるよう、頭の中でイメージしておくと良いでしょう。

当社の製品デザインをみて、どのように感じましたか。

これも、目の前にそれをデザインした方がいらっしゃるということを忘れずに、失礼の無いように。
ただし、明らかな欠陥があるのにそれを無視してべた褒めしてしまうと、センスの無い人間と思われる恐れもあります。
その欠陥は当人たちも認識しているが他部門との関連でどうしようもない場合もあるからです。

あなたの長所と短所は何ですか?

これもたまに聞かれる質問ですが、あらかじめ考えておかないと短所が難しいです。短所の言い方によっては、相手が不安になってしまう場合があります。

社内もしくは社外での折衝で、うまく進めるためのポイントなどはありますか?

コミュニケーション能力はどの会社でも求められるところですが、ここで具体的な経験を元に話ができると評価が高いです。

これまでで最も辛かった業務は?

過去に「このような質問を受け、回答に窮してしまった」との報告があったので掲載しておきます。めったにない質問ですが、いざ急に言われておかしな回答がないようにしたいものです。

趣味は何かありますか?

意外にこのような基本的な質問もあります。

<部門が分かれているなら>当社のどの部門の製品を手掛けてみたいですか。

これは注意が必要です。選ばなかった部門の製品もやりたくないわけではない、というニュアンスを残しておかないと、その部門の方が同席している場合心象を悪くします。

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質問内容として想定されるのは上記のようなものです。

あとは、やはり先方の会社についてできるだけ知っておくこと、例えばホームページを見たり。もしお店等で売っているものであれば、ぜひ現物を売り場で見て、どのように販売していた、どのような客層がそれを見ていた、等を話題にするとポイントが高いと思います。

逆に、聞いておきたいことも準備しておくとよいと思います。
「質問はありませんか?」と聞かれて何もないと、その会社に興味がないかと思われる可能性がありますので。(かといって給料の話をするかどうかは微妙ですが。)

例えば、
・デザインする上で苦労する点はどこですか。
・社内でこのデザインをプレゼンするのはデザイン部門の方ですか、開発や企画の方ですか。

なお、履歴書も念のため準備しておいてください。多くの場合、1次面接で提出します。特に事前に言われていなくても、あった方が良い場合が多々あります。

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なお、弊社では面接に同席が許されなくても、できる限り同行するようにしています。つまり候補の方と一緒に求人企業の入口まで行くものの、そこで帰ることになります。一見ムダに見えますが、その道中で話すことで候補の方がリラックスできたり、自分の考えを整理できたり、またこちらからアドバイスができたりするので、大変有効だと考えているからです。(自画自賛ながら丁寧ないい会社ですよね(笑))

<次回はある程度の年齢を超えると必ず聞かれる「マネジメント経験」についてです>

(下村航)

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