今回は、少し趣向が違いますがよく感じる「運と縁とタイミング」についてお伝えします。
(プロダクトデザイナーが転職する際のポイントを分けて掲載しています。※一気に読みたい方はこちら。)https://www.bt2.net/oyaku
先日、既知の某メーカーのデザイナーから求人依頼がありました。
某大手求人サイトに広告を出して求人しているが1ヶ月経ってもまったく応募がなく困っているので、弊社にもお願いしたい、とのこと。
ほどなくして、登録されている方で合いそうな方が2名いたので作品集を預かり、そのメーカーに紹介しました。
結果はこちらが驚くほど良い反応で、一部に見られた作品の粗い部分も本人の人柄が出ている、と好印象に受け取っていただきました。しかしその時点で他社から紹介を受けて一次面接を通した人がいるとのこと。しかし担当デザイナーとしては、弊社紹介の方を推したいようでした。
後日、お詫びの電話があり、役員レベルでも好印象だったため、先行していた他社からの候補で決めることにしたとのこと。その時におっしゃっていたのは、もし今回の方とこの2名の方が同時に受けていたら、この2名のどちらかに決めていた、とのこと。
「運と縁とタイミング」とは使い古された言葉ですが、この仕事は特にそれを感じます。今回のようなことは良くあることで、弊社に登録に来てくれた方には以下のように話します。
例えばA社がデザインスキルが70点の人を求めていたとします。しかし、募集をかけても3ヶ月応募が来ない。そこにたまたま60点の人が応募に来たとすると、「これ以上待てないので、この人に入ってもらってスキルアップしてもらおう」となります。それでその後に90点の人が応募に来たとしても、「もうほぼ決まったので、もしその人が辞退したら再度募集します」と言われ、書類を見てもくれない、ということがよくあります。つまり、60点と90点の人が競って、60点の人が勝ってしまうことがありえるのです。
だから、「作品集は「自己評価30点」でいいので、とにかく提出できる状態にしましょう」と伝えます。見られるようになっていればおおよそのスキルはチェックできるし、弊社の場合は私の推薦文を付けますのでそこで不足分をフォローできます。また、「多忙とのことでしたがあまり時間が経ってしまうと他の方もいると思うので、急ぎ仕上げてもらいました」と一言つけます。
デザイナーだとどうしても作品集にこだわりを持ってしまい、何カ月も完成しない方もいます。でも、上記のようにその間に別の人が受かってしまうかもしれません。見る方もプロですから、ある程度でわかってくれます。まずは「30点でいい」と割り切って、仕上げて受けてみましょう。
(下村航)
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