先日、既知の某メーカーのデザイナーから求人依頼がありました。
某大手求人サイトに広告を出して求人しているが1ヶ月経ってもまったく応募がなく困っているので、弊社にもお願いしたい、とのこと。
ほどなくして、登録されている方で合いそうな方が2名いたので作品集を預かり、そのメーカーに紹介するため訪問しました。
結果はこちらが驚くほど良い反応で、一部に見られた作品のアラも本人の人柄が出ている、と好印象に受け取っていただきました。
しかしその時点で他社から紹介を受けて一次面接を通した人がいるとのこと。しかし担当デザイナーとしては、弊社紹介の方を推したいようでした。
後日、お詫びの電話があり、役員レベルでの意向もあり、先行していた他社からの候補で決めることにしたとのこと。
その時におっしゃっていたのは、1か月前、候補がいない状態であれば、この2名のどちらの方であっても内定を出していた可能性が高い、とのこと。
「運と縁とタイミング」とは使い古された言葉ですが、この仕事は特にそれを感じます。
お伝えしたいのは、採用の合否は御本人の実力の優劣を表わすものではない、ということです。この会社ではAさんが内定してBさんが不合格だったのに、もうひとつの会社ではBさんが内定してAさんは書類で落ちた、ということもあります。
ジグソーパズルに例えれば、求人企業は自社のデザイン部に足りないピースとなる人材を求めています。良い悪いではなく、たまたま今は空いていないだけかもしれません。
特に年齢が中堅レベルになると、転職活動時期が長くなります。その間には何社も落ちることもあるかと思います。
しかし、落ちた際に「振り返って反省点を改善」することは必要ですが、「落ち込まない」こともとても重要です。
面接する人は、ともに働く仲間を探しています。
「自分はだめな人間だ」と落ち込んでしまっている人よりも、自分に自信を持って堂々としていたり、落ちたことをユーモアで笑い飛ばすような人の方が魅力的に見えます。
事実、作品集だけの書類選考での評価と、面接後の評価が逆転することはよくあります。デザイナーといえども、実力同様に会ってみて感じられる人柄が重視される証拠だと思います。
頭ではわかっていても、落ちてしまうとどうしても気持ちが落ち込んでしまうかと思います。
しかし、合わない会社で働くのも大変です。一発で合う会社に転職できた方もいますが、一発で決まった会社に転職したものの、入ってみるとどうしても合わず、半年程度でまた退職して転職活動を始める方もいらっしゃいます。
転職活動に時間がかかってしまっている方は、これから定年まで、場合によっては70歳、80歳まで働けるような自分に合う会社を見極めているから時間がかかるんだ、と割り切って、前向きな気分で転職活動を続けていただければと存じます。
(最近、100歳で毎日通勤するサラリーマンの方が話題になりました。楽しんで働けるような職場に出会えれば、上記のような話もありえるかと思います)