先日、ある候補者に求人をご紹介したところ、こんな問い合わせがありました。
「現在A社を受けているところなのですが、他の会社を受けても大丈夫でしょうか。」
基本的には問題ありませんが、ケースごとに異なります。
まず、まだ内定までいくつかステップがある状態。この場合は全く問題ありません。その会社と自分が合うかどうかというのは受けてみないと分からないことがあるので、可能性を広げることは大切なことです。
しかし、注意しなければいけないのは最終面接の段階、もしくはデザイン事務所など小規模な組織で最初から社長面接となるような場合です。
よほど実力が抜きんでており、受けている企業が地味だったりあまり人気のない企業であれば「実は他の企業を受けていて、そちらの結果を見てから判断させてください」ということは可能です。
しかし、最終面接は、その会社に入りたいと思っている気持ちの確認の場であることがあります。少なくとも、この会社に入りたいと思っているかどうか、の意思確認の場です。
現在受けている会社(仮にB社とします)が第二志望で、第一志望の会社(A社)がまだ結果が出ていない場合。それでそのB社が次に最終面接、となってしまった場合は次のような選択肢があります。
1)正直に別な企業も受けていることを話し、そちらも受かったら良く考えてから決めたい、と伝える。
最終面接は、単なる儀式的なものである場合と、ライバル候補がいる場合があります。後者の場合、少々不利な状況になるかも
しれません。
一方で、中堅クラスのデザイナーの中途採用の場合、ほとんどの場合が実力にある程度差があります。従って、上記のように
伝えただけで落ちてしまう、ということは多くはないかもしれません。(しかしゼロではありません。)
2)最終面接の日程を先延ばししてもらう。
これは実際にあった話です。ある程度大きな企業の場合、窓口となっている人事部としては最終面接に社長や役員のアポイントを
取っておいて、面接後に本人に辞退されることは大きなマイナスになる場合があります。
それであれば、本人の意思が固まるまで最終面接の時期を延ばしてしまう方がマシなので、他に受けている会社の結果がでるまで
待つ、ということに応じてくれるかと思います。
但し、前述のようにライバル候補がいる場合は応じてくれないかもしれません。
3)黙っていて、内定を取って、さらに第一希望も受かったら断る。
正直あまり好ましくない方法ですが、第一希望に受かる可能性にもよるかと思います。可能性の低い会社であればわざわざいう必要はないかもしれません。
(間に入る弊社のような立場からすると一番避けたい状況ですが、それだけのためにご本人の可能性を断つようなことをしてしまうと入社後も他社への心残りがあってうまく仕事に溶け込めない可能性があるため、弊社都合は関係なく相談に乗るようにしています)
以上、ご参考になりましたら幸いです。