半世紀近く、デザイン界で飯を食っている友人と会った。
彼の商品デザインに対する知識は半端でないことは
前から知っていたが、その彼が
「アートとサイエンスの結びつきの時代ですね」
と言いだしたのには、驚いた。
彼は、赤線の入った新聞の切抜きを見せてくれた。
「経営学者のミンツバーグが『MBAが会社を滅ぼす』において
主張しているように、マネジメントの本質はサイエンスよりアート
に近い面が大きい。科学性は必要であるが、具体的文脈(状況)
と切り離された分析至上主義は役に立たない。むしろ、その時々
の状況において背後にある本質を直感し、サイエンスとアートを
統合して物事を実行する、その能力が求められているのである。
(日本経済新聞『やさしい経済学―名著と現代』より抜粋)
彼は、デザイン界でも、マネジメントの本質は
サイエンスよりアートに近い面が大きく、
市場や背後にある本質を直感し、サイエンスとアートを統合して
物事を実行することを、昨今痛感しているという。
彼の話しを聞きながら、アートに近いデザイン界というのは、
考えようによってはすばらしい位置にあると思った。
「デザイナーよ、大志を抱け」、そして「転職ぐらいで挫けるな」と、
思わず叫びたくなった。
(K.K.)
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