新宿での待ち合わせは、いつも紀伊国屋書店の中にしている。
本を立ち読みしながら友を待つのはいいものだ。
先日も、そうして待っていると、急な用件で一時間ほど遅れると
携帯に連絡があり、ちょっとがっかりしたのだが、
そこは新宿、見るモノには困らない。
書店の並びに小さなカバン屋を見つけたので入って見た。
バッグなどの販売以外に、修理もやってくれそうな店で、
所狭しと、紐や皮製品の材料が並んでいる。
ちょうど、持っていた鞄の持ち手が磨り減っていたので、
修理を頼めるかと聞いてみた。
女主人は、ひもを何種類か持ち出してきて、色をチェックしながら、
ひもを巻きつけ、ボンドなどで接着して直せると親切に教えてくれる。
仕上げはミンクオイル(栄養・保皮クリーム)を塗っておけば、
まだまだ、愛用可能ですよという。
そして「ところで、お客さんは器用ですか」と聞かれた。
手先が器用でないと修理が難しいと言うのである。
そこは私とて、デザイナーOB、模型やモデルを作った経験があり、
やってみますと言って、紐や接着剤、ミンクオイルを購入した。
帰りがけに、「出来上がったら見せてくださいよ」と女主人の声。
都会の真ん中に、修理屋さんで材料も売っているお店があるとは、
私にとって小さな発見だった。
出来上りを見てもらい、アドバイス頂けたら、これぞ生きた勉強になる。
バッグや小物のデザイナーを目指す人は、
まず、自分の身のまわりの物の修理から始めると、
材料や、構造、技術を学べること間違いなし。
これぞ、小物デザイナーを目指す一つの方法だと思った。
(K.K.)
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