週末の台風一過を境に、銀座に点在する多くの画廊も
目覚めたように芸術の秋に入ったようだ。
今週、友人と共に、小さな画廊の個展を見て歩いた。
絵を見ることは、目の保養だという人もいるが、
私には「保養」どころか、「刺激」として迫ってくるものが多く、
今回も考えさせられる日になった。
木の廃材を使って、お盆などを作っているアーティストの作品では、
幾何学模様と具象模様が入り混じった、見たこともないような
不思議な木目模様にいたく感心した。
材料は栗の木で、板目の部分をろくろがけしたときに現れた模様だという。
板目の時は平凡な木目であっても、ろくろがけして掘り進むうち、
現れてきた貴重な模様だというから、やはり自然の奥深さはすごい。
アーティストの彼は、元工業デザイナーで、
いままで沢山のデザインを世に送り出してきた人だ。
その彼の言葉だけに、デザインと自然の組み合わせが面白く感じられた。
デザイナーもアーティストの一種と見る人もいるが、
デザイナーは、一品製作は許されない。
従って、これら自然の奥深い不思議な模様も、
量産できる工夫をし、世に送り出して初めて、デザイナー職が勤まる。
そういう意味では、アーティストも、自然も、
デザイナーにとっては先生であり、やはり銀座の画廊巡りは、
デザイナーにとって、必須条件だと言えよう。
(K.K.)
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