絵本作家誕生

40年来の旧友から電話があった。
初めて制作した絵本が、印刷会社から届いたから見て欲しいという。
彼とは長い付き合いだから、彼の幸も不幸も見てきた。
メーカーの宣伝部で、グラフィックデザイナーとして、溌剌と働いていた彼は、
10年前、不幸にして、奥様が突然の医療事故により、
予想だにせぬ四肢麻痺となり、会社を早期退職し、奥さんの看病に専念。
その奥様のリハビリの一環として育まれたこの絵本が、
このたび完成した、という訳である。
奥様も、美術系の短大を出て、彫金やイラストなどを趣味にしていただけに、
手に取って見て、そのすばらしい出来に感激した。
リハビリは、不自由な手で絵を描く、一本の指でパソコンを打つ、という毎日。
その大変な労力が、この一冊になったのだ。
継続は力なり。
次は二冊目へ向け、どんどん出版することを勧めた。
奥様や家族の生きがいがひとつ増えたことに、私はいたく感動した。
プロの出版社がついてくれればと、私は願うのみである。
(K.K.)
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