友人の紹介で、「街の発明家」で、金型屋さんのT氏と
夕食を共にした。
名刺を忘れたという氏は、最近売り出したという新製品、
「爪を切らずに、削って処理する」という爪削りを
名刺代わりに差し出した。
そこには、自宅住所も、工場名も書かれていた。
社名は、「T金型サービス」、東京は板橋区の社長さんである。
氏は、デジタル社会を見つめながらも、
長年積み重ねてきたアナログ型部品産業に徹し、
新製品をコツコツ世に出している。
以前に出した「本の栞」も好調な売れ行きだという。
何よりも、それを楽しんでいるようで、
日本の製造業の明るい一端を見た思いがした。
10年後、20年後、日本はどんな方向に向かっているのか、
その素朴な問いには、彼の生き方に、一つの答えがあるように思った。
多くの製造業は、中国企業がリーダーになり、
日本国内には、アナログ型部品産業しか残らないという読みは、
彼を見ていると、当てはまるかもしれないと思う。
さらに、このことをじっくり考えてみたいと思った。
(K.K.)
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