私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの7回目。
『中国は、「文化の大砂漠」と言われる。なぜそうなったのか。
その大きな理由の一つは、実は、中国自身の歴史にある。
中国の歴史上、王朝の交替に伴う動乱や内戦がしばしば発生し、
経済的、文化的財産の蓄積を台無しにしてしまう。
それは当然、中国における文化の全面的発達を阻害する
大きな要因となっているだろう。
特に文化というソフトウエアは、一度破壊されてしまうと、
なかなか修復できないものである。
もうひとつの原因は、中国の伝統的政治制度にある。
二千数百年間にわたる皇帝専制政治の下で、
朝廷に仕える官僚となるのは、知識人に許される唯一の生きる道である。
そのため、政治権力から独立した文化人や知識人のいる場所はないのである。』
(中国問題評論家、石平(シー・ピン)氏 『これが本当の中国 33のツボ』より抜粋)
以前のブログで、
「中国5000年の歴史に支えられた工業デザインは、いかにあるべきか」
と、学会で大上段から学説を述べる先生方のことを書いたが、
石平氏よると、中国で生まれたもので、現段階で世界中に広がっているのは、
せいぜい珍味佳肴(ちんみかこう)の中華料理くらいであるという。
さらに、昔も今も、中国という国は、決して「世界の文化大国」でも何でもないのである、
と痛烈である。
何はともあれ、隣国の歴史も「他山の石」として、21世紀のデザインはどうあるべきか、
共に考えるのが、我々の使命だろう。
(K.K.)
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