ここで、森繁さんのこの「大正会」のルーツに触れるに当り、余談を一つ。
先日、日経新聞・夕刊の「学びのふるさと」という欄で、
タレントのルー大柴さんは、三橋達也さんから芸能界のルールを学んだ
という記事を目にした。
三橋達也さん(1923-2004年)と言えば、終戦直後に映画界入りし、
「天国と地獄」などの黒澤明監督作品や、米映画「トラ!トラ!トラ!」などに出演、
ダンディな風貌で人気だった俳優だ。
ルー大柴さんは若い頃、2年半、付き人という底辺で、
「坊や」と言われながら三橋さんに仕えたことが、人生の財産と語る。
中でも、「スタッフに気を遣え」という一言に教えられたのだという。
その三橋達也さんが中心になり、森繁さんや淡島千景さんなど、
大正生まれの人達が銀座で集まった会が、この会のルーツで、
私が入会した2005年には、三橋達也さんは、既に亡くなっている。
1913年、大正2年生まれの森繁さんは、この会の発足当時から
長老であったことは言うまでもない。
クレー射撃やヨットなど、多趣味で知られた三橋達也さんと、
若い頃には、射撃も、ヨットも趣味にしていた森繁さんとの多趣味な付き合いは、
銀座にも及んだのだろうと想像はつく。
映画やテレビの世界で活躍し続けた大正時代の友人同士で、
時には、銀座で食事するという「懇親会」。
その会の発足時の名前は「大正会」、今は「友友会」と改められている。
(つづく)
(K.K.)
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