続・柳宗理の薬缶

先週、グラフィックデザイナーの原研哉さんが、
今月号の岩波の『図書』で、「柳宗理の薬缶」について
すばらしいエッセイを書いているのを紹介した。
その続きは、『図書』でご確認いただくとして、
原さんが言いたかったこと、私なりの要点のみ記したい。
彼は、
「消費の欲求に駆られて、目を三角にして「新しさ」を
 追い求めてきた僕らのアタマが、少し平熱にもどって、
 まともに日常の周囲を見渡すゆとりができたということ
 ではないだろうか。」
と述べている。
私たちは、新興国の中国やインドと駆けっこすることなく、
いい製品を生む、育てる、それを愛でる時代に入って来た事を
彼は言いたかったのだろうと思う。
柳宗理(そうり、本名:むねみち)は、1915年生まれ、
日本における工業デザインのパイオニアである。
ユニークな形態と、意外な実用性を兼ね備えた作品が多く、
代表作に「バタフライ・スツール」がある。
実父は柳宗悦、祖父は柳楢悦。
昨日の、エントリーで紹介した、「日本民藝館」の創設者は、
彼の実父であり、柳宗理は私の大学の恩師でもある。
恩師の目は、日本の民芸の美を余すことなく吸収した目であった。
彼は、良いもの、きれいなものを常に見るように
我々を指導し続けたことを、ここでは記しておきたい。
(K.K.)
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