人工心臓から海洋開発まで

人工心臓のデザインといえば、川崎和男。
それだけ世界的に有名になった彼が、
最近では、海洋開発のデザインを手がけている
ということを新聞で知った。
(日経産業新聞の連載「仕事人秘録」欄)
先日の忘年会で、後輩のN君から、川崎先生の最近の消息を聞かれたが、
彼が大阪大学に赴任してから4年、
セミナー会場で1、2回会っただけで、詳しく知る由も無い。
そんな折の今度の新聞連載で、13回にわたっているので、
参考になればと、その切り抜きを後輩N君に送った。
川崎和男は語る。
「今、教育の現場で力を入れているのが海洋デザインだ。
 阪大、大阪府立大学、神戸大学の関西海事アライアンスという協定により、
 デザイン戦略論を教えている。
 学生からは、洋上に構築するメガフロートなどの提案が出てくる。
 日本は海を通じ、外に向かって発展してきた貿易立国だ。
 ところが最近は、内向きで元気のない日本人の姿が目立つ。
 私は、日本が国連の常任理事国になる必要があると思っている。
 それぐらいの発言力を持たないと、国際社会で存在感を示せない。
 資源に乏しい国だからこそ、貿易立国の志を忘れてはいけない。
 貿易の競争力の源は製造業にある。
 製品の質や価値を高める工業デザインの力を
 これから多くの人に感じ取ってもらいたいと願っている。」
彼ほど、工業デザインの領域を広げて活躍しているデザイナーを知らない。
彼の柔軟性に富んだアイデア構築は、天性のものだろうが、
身近に見る限り、彼は、努力の塊でもある。
(K.K.)
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