75歳・42歳・16歳の女性の大活躍とマスコミは飽きもせず、年齢から
先にその活躍ぶりを報じている。いつからか、年齢を見出しに使い読者の目を
引くことを、それを売りにしている。なんと女性の年齢を、である。
ご存じ、75歳は第148回芥川賞、最年長受賞の黒田夏子さん、42歳は
テニスのクルム伊達公子さん、16歳はノルディックスキーの世界選手権で
優勝、ジャンプ女子の高梨沙羅さん。
スポーツ選手のみならず作家までも年齢で報じられるとあまりいい気が
しない。ましてや転職を真剣に考えている人には、高齢化の波・・・と共に、
見たくもないし聞きたくもない。
現実、40歳代になると転職は極めて難しくなるのは、年収の幅が
違いすぎるからである。家族があると生活がかかっているから、
安くともいいよ、ということにはならない。
先日も、年収の幅が大きすぎて採用が決まってもキャンセルせざるを
得なかった例があった。
昨今、就業者数は女性の多い業種の増加は目立っている。
宿泊・飲食サービス業と教育・学習支援業が13万人、医療・福祉業も
5万に増えているが、男性の多い業種は建設業は1万人増えたものの、
製造業は1万人減と減少が続いているから、ものづくりを目指す
デザイナーには厳しい現実があることも知っておかないと、いつまでも
職にありつけない。
大企業から中小企業への転職は、年収の幅があり過ぎまとまらない例が
多いが、時には年収よりも生きがいのある中小企業の職場を見つけ、
中小企業から大企業に育て上げる気概で”挑戦する”生き方もある。
というのは、いずれどこでも定年が来る。その定年後は、身に付いた
技術が次なる生き方を示唆してくれて、生涯デザイナーの道にも
つながれば、中小企業も捨てたものいでない。再考したい。
(喜多謙一)