先日、大好評で閉幕した清水吉治 マーカースケッチ展(80才傘寿)、
いろいろとご協力有難う御座いました。
はじめての私たち先輩の企画展でもあり、企業・学校・同窓生にも声を掛け、
パンフレットには推薦文を後輩の川崎和男さんに依頼。彼も快く書いてくれ、
初日には大阪から東京のAXIS会場に顔を見せてくれた。
久しぶりに握手した時に、彼の顔色のいいのに驚くと同時に、公務(阪大)
から解放された自然体の川崎和男に触れたように思った。話すほどに、
デザイン界の”閉鎖ぶり”にも触れ、どうすべきかも・・・、しばし議論になり、
貴重な時間を過ごした。
私など先輩ヅラして言うことではないが、話すほどに彼の昔から変わらない
「思索する川崎和男」を見たように思った。「思索」とは広辞苑によると、
「物事のすじみちを立てて、深く考え進むこと」。
彼の名古屋での、医学博士号を取る努力も身近に見ていたことでもあり、
今日の彼があるのは当然という気がした。
身近にも、弊社で彼のように”思索する”デザイナーの転職のお世話をした
こともあり、ここで二人ばかり紹介したい。
A君の場合は、デザイナーと趣味の海の遊びは、半端ではない。湘南まで
家族皆で引越し、それらを両立させ、今では外資系のデザイナーの
ナンバーツーにまで昇りつめている。
B君の場合は、派遣デザイナーをコツコツと続け、正社員になることも
断り続けて数年で退職、田舎のオヤジさんの稼業を就いた。見習い時間を
派遣デザイナーの時にたっぷり取り、家業を継ぐなどしたたかな人生に
挑戦している。
思うに、今こそデザイン界の閉塞ぶりを嘆く前に、個としていかに
“思索して生きるか”を自問自答したい。川崎和男さんと話しながら、
彼の”波乱デザイナー”振りが、今後のデザイン界の教科書であり、
彼が後進に与えるものは、実に大きいものがあると思った。
(2014.5.30 喜多謙一)