先日、目黒にある国内最大規模のシェア工房「Maker’s Base」の
1周年記念イベントがあったので行ってきました。会場では3mの
流しそうめんが設置されたり、大変な盛り上がりを見せていました。
また、その場で手作り作品のマーケットサイト「iichi」とMaker’s Baseの
包括的業務提携が発表されました。個人モノづくりの「作り手」へのサービス
強化として、工房の「作る」、ワークショップで「学ぶ」部分を
aker’s Baseが担当。サイトでの「売る」、作品やワークショップの
PR「広げる」をiichiが担当するとのこと。
さらに以下のような方々のトークセッションがMaker’s Base COOの
松田純平氏の司会で行われました。講演自体も面白かったのですが、
そのあとの松田氏とのやり取りが大変面白く、クリエイティブな刺激に
富んだ時間でした。
?iichi(株) 代表取締役 飯沼氏 / 取締役 佐藤氏
?Fab Café LLP COO 川井氏 / Director 岩岡氏
?Makers’ Base会員 工業デザイナー 澤井氏
皆さん大変エネルギッシュで前向きで、トークセッションをしながら新しい
企画がポンポン決まっていました。今後の日本にいろいろな新しいことを
起こしてくれそうで、将来「こんな豪華メンバーが一同に会した講演会が
あったのか!」と驚かれるようなセミナーだったのかもしれない、と勝手に
思っていました。
(講演内容についてはMaker’s Baseのブログに近日公開とのことで割愛します。)
話は変わって、先週号の日経ビジネスで3Dプリンタが特集され、その中で
ダイハツの新型コペンの「デザインのオープン化」を大きく掲載しています。
(下記URLは日経デザインのページですが、概要がよくわかります。)
記事の小見出しで「メーカーは基本機能に注力」というものがありました。
フレームだけで乗客の安全を確保し、外板を樹脂製にしてデザインしやすく
しているとのこと。そして必要なデータをパーツメーカーや外部デザイナーに
提供し、幅広く内外装部品(着せ替えパーツ)の生産に参画してもらおうという
ことです。
つまりこの小見出しは「メーカーはフレームなどの基本性能に注力し、デザインは
外部に任せる」とも読み取れます。自動車業界という、プロダクトデザインの
頂点ともいえる業界にて、メーカーがデザインを手放すとも取れる記事です。
ちなみに、この着せ替えパーツ構想もユーザーの支持を受け、発売後1ヶ月の
7月に月販目標の6倍となる4000台を受注したとのこと。
Maker’s Baseやiichi、Fab Cafeの動きや3Dプリンタをめぐる熱狂を見るに、
立体を操ることのできるプロダクトデザイナーへの期待は広がっているように
感じます。
一方で、プロダクトデザイナーの求人案件はむしろ減少傾向にあります。
特に大企業でプロダクトデザイナーの需要が減少し、足りないGUIへ社内転向して
もらったという話も良く聞きます。
(プロダクトデザイナーは器用でいろいろな部署から狙われているという話も
聞きますが)
この温度差を考えると、通常の型にはまったプロダクトデザイナーではなく、
広い意味でプロダクトをデザイン、作り上げられるデザイナーが求められているのだと
思います。
プロダクトデザイナー業界の夜明けは近い?!
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