ラバーハンマー

金鎚(かなづち)という言葉は死語になったのか。
家庭でも、見かけなくなった。
大工さんでも、電動工具で釘を打つ世の中だし、
普通の人がマンション住まいでは、釘を打つところもないから
持っていなくて当然なのだろう。
先日、釘を一本打ちたいために、100円ショップを覗いて驚いた。
置いてあるのは、「金槌」ではなく、「ラバーハンマー」。
材質は、文字どおりゴム。
『ゴムの吸収力で、手に、素材にやさしい』とある。
もはや、金属でなくラバー、ゴムの時代である。

別の100円ショップを覗くと、金鎚があるにはあるが、
「パイプハンマー」の名前で、価格は200円である。

DIYの指導員の話では、最近は家庭で金鎚を使わないから、
学校で工作の時間に使い方を教えるのに苦労するという。
怪我でもしたら社会問題になりかねないから、
先生も扱わないようになったそうだ。
ラバーハンマー、パイプハンマーとも、
『ご使用の際は危険ですから、安全のため
ヘルメット、ゴーグル(保護メガネ)をご使用ください』
と、いずれにも明記されている。
安全第一は理解できるが、一度や二度、手を打ち、
痛い目に遭わないと上達しないというのが昔の教えであった。
ナイフや包丁など、刃物類の扱いも、ペーパーでは覚えられないし、
やはり実践で身に付くものだと思う。
過保護も考えものだと思うし、「身体で覚える」ことは、
何も古臭いことでないように思うのだが。
(K.K.)
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