日本ではエレベータの宣伝でおなじみの上海タワーが筍のように高さを
増し、今年中に400mを超える。2008年11月に着工して以来4年半の歳月が
すぎた。
森ビルが手がけた上海環球金融中心、同地区にある金茂中心、
丸いドームのある東方名珠タワーなどとともに、上海のスカイスクレーパーに
また新たな顔が加わった。
このデザインコンペにはアメリカSOM、KPF、ゲンスラー社、イギリスの
フォスターアンドパートナーズ、上海現代設計集団など名だたる設計事務所が
参加したが、ゲンスラー社の昇龍型のデザインが勝ち残った。
デザインの特徴は2層のガラスカーテンウォール、螺旋状に上昇するように
全体を覆っている。これによりビルにかかる風圧が24%削減され、必要な
資材も減らすことができる。ガラス壁は雨水を集められるようになっており
ビルの空調や暖房に利用される。完成後の高さは632m、高さ300m以上の
ビルでは初めての二層構造の外壁により、熱や涼しさを外に逃がさない
構造となっている。
今から20年前、1993年に作られた陸家嘴金融貿易区の完成予想図では飛び抜けた
高さの3本の高層ビルが隣同士に描かれていたが、いままさに20年前の青写真が
刻々と実現の時を迎えている。
計算すると7日に一階積み上がってゆくペースであるが完成の2014年に向かって
まもなく秒読み段階を迎えようとしている。
By N.Koyanagi