上海紅虹空港展示会の事である。
ブース紹介の資料の売れ行きが悪い。
このままでは資料が大量に余ってしまう。
受付台の上に山積みとなった資料を前に
担当者は腕を組んだ。
企業の紹介、製品の紹介は主にその業界に
興味を持った人たちしか持って行かない。
企業アピール、製品アピールにはいかにお客様に
注目していただき、資料に目を通してもらうかが大切。
その為にどんな広告を打つか、どのようにデザインを
するかが拡販成功の鍵となる。
担当者はボール箱にしまってあったアニメの
キャラクター袋をとり出すと各資料一部づつ
キャラクター袋に入れだした。
日本では各市町村、企業がこぞってゆるキャラの制作に
力を入れ、アニメのキャラクターによりアピールする
サブカルチャーが根付いているが、中国では今、
この日本のアニメに興味を持つ人が非常に多い。
アニメバッグに入れられた資料はその後あれよあれよと
売れ始め、資料があっという間に持ち去られてしまった。
アニメバッグを手にした時のお客様の笑顔、日本の
アニメカルチャーの中国での潜在力を思い知らされる
一コマであった。
(N.Koyanagi)